14th Day 「ラストスパート」

9月27日

6:30起床。

快適な目覚め。食事の時間は7時なのでしばしゆったりできた。久々にめざましテレビを見た気がする。朝食はバイキング形式。ちゃんとした朝食は1週間ぶりやな。ほんまに貧乏旅行としては、えらい豪勢やけど。たらふく頂いて、食後のコーヒーまで。エネルギーの充電完了。昼飯までにかなり距離を稼げそうだ。

荷物をまとめて、旅館の方にお礼を言う。親戚のおじさんは昼からの出勤だそうで、よろしく伝えてもらうように頼んで、7:50出発。

六十八番神恵院・六十九番観音寺の山門。1つの境内に札所が2つ。
本日最初に目指す札所は六十八番神恵院と六十九番観音寺。ここは2つの札所が同じ敷地内にあり、納経も一緒にしてくれるというラッキーポイント。県道6号を走り、観音寺駅方面へ。街中なので学校も多いのだろうか、登校中の中高生とすれ違う。財田川を越えて8:38六十八番札所神恵院六十九番札所観音寺到着。境内に入り、まずは六十八番神恵院の参拝へ。境内の長い石段を上ったところにある神恵院本堂はきれいで真新しい感じだ。石段を降りて左側には観音寺の本堂がある。神恵院とは打って変わって朱色に塗られた柱が目立つが、よく見ると年月を感じさせる佇まい。個性の違う2つの札所が共存するところが面白い。納経所は1つで、訪ねると若い男の方が2ヶ所分まとめてスラスラと筆を走らせてくださった。一気に2つ回れて得した気分。

お寺を出たところで近所の方だろうか、60、70代くらいのおじさんとおしゃべり。このおじさんも何箇所か札所を訪れたことがあるそうで、岩屋寺の石段が大変だったことや雲辺寺もロープウェーができて楽になったなどお遍路トーク。年配の方が中心やけど四国のどこに行ってもお遍路は文化として馴染んでいることを再認識。話は尽きないが先を急がせてもらう。七十番まではすぐ近く。一旦引き返して財田川の対岸に渡り、川沿いを走る。観音寺第一高校のそばを通過し、再度財田川を渡って9:38七十番札所本山寺到着。ここでマイクロバスのおばさん団体遍路に遭遇。ここでは色々と質問攻めに。若いのにえらいねぇと、よく言っていただくが、逆に考えれば若いうちしかこんなことできないよなぁと。そういう意味では本当に幸せなことだ。歳いってから回れるだけの元気があるかどうか分からんしね。一生のうちに1回は歩いて回りたいけど…。

ここからはR11を北へ。約1時間の一本道。坂を登ったところの鳥坂交差点を左折して、登った直後に一気に下る。後で地図をよく見るとこのアップダウンを通らなくても直前にショートカット気味の道があったようだ…。長い下りを終えると、また上り坂。この坂は結構きつい。なんとか自転車を押しながら道の駅ふれあいパークみのに到着。弥谷寺への山道は道の駅の正面にある。ここから先は自転車ではきつい。ということで自転車は道の駅に置かせてもらって、山道を歩いていく。山道入口にはいかにも老舗といった感じの茶屋があった。ここから先は急で長い石段が続く。参拝の前、あるいは参拝後に一休みするにはもってこいだ。見たところ今日はお休みのようで残念。ここから長い石段を進み、10:35七十一番札所弥谷寺到着。しかし仁王門をくぐって境内に入ってもさらに長い石段が続く。その段数260段。これを登りきって、ようやく本堂に到着したと思ったらこれは大師堂。本堂はさらに石段を上ったところにあるという。年配の方にとっては非常につらい石段だろう。この弥谷寺、標高自体はそこまで高くないが、実は隠れた難所かもしれない。やっとの思いで本堂に辿り着き、参拝。本堂にはお供え物や様々なお札などが貼られてあった。山深い札所にも多くの参拝者が訪れていることを物語る。納経所は靴を脱いで上がる。岩壁をくりぬいて建てられたような堂の中には、弘法大師が修行したとされる洞窟が見られる。参拝客が多くいてにぎやかではあるが、荘厳な雰囲気が漂う。納経を終えて自転車を置いてある道の駅へ。

坂を下って上って再び鳥坂交差点へ。R11に復帰して北東へ進む。この辺りには鳥坂饅頭・鳥坂うどん・鳥坂ラーメンと色んな名物があるようだ。一度御賞味願いたい。七十二番・七十三番はすぐ近くなのだが道が入り組んでいて分かりにくい。何となく小雨が降ってきた中、11:51七十二番札所曼荼羅寺到着。すぐ前には田んぼが広がる閑静な田舎にある札所。納経をして次の出釈迦寺へ。ほんの5分ほど細い坂道を上って12:10七十三番札所出釈迦寺到着。山門ではおばさんたちが腰掛けて憩いの時間を過ごしており、境内にも個人の参拝客が多くいた。納経所では納経してくださった方に「歩きですか?」と聞かれたので「自転車です」と答えると「歩きの方と自転車の方にはお接待です」ということでジュース代150円を頂いた。境内の自販機で買って下さいとのことでありがたく買わせてもらって休憩所で一休み。休憩所で同じく歩きでお接待を受けたと言う高松出身の方とおしゃべり。今四国限定で上映中という「ロード88」について語る。大阪では上映が秋以降になるというので帰ってすぐというわけにはいかなそうだ。

七十五番善通寺境内。金堂や五重塔など様々な建造物が並ぶ。
次の札所はこれまた至近距離。15分程度で12:45七十四番札所甲山寺到着。小さな山の麓にある甲山寺は、緑も多く落ち着いた雰囲気で、まさにお寺という感じのお寺。ここでは参拝客は少なかった。次の善通寺もすぐ近く。13:05七十五番札所善通寺到着。この札所かなりデカイ。弘法大師誕生の地ということで、総本山と名乗るだけのことはある。境内への門は多くあるらしいのだが、知らずに駐車場のかなり小さな門から入ってしまった。ちょっと後悔。まず本堂に向かうが色々な建物が建ちまくっててどれがどれなのかわからない。さらにまだ何かを建てようとしているのか、大がかりな工事をしているところもあった。本堂を見つけて参拝するが、次は大師堂がどこかわからない。散々歩き回ってようやく発見。つか本堂と大師堂離れすぎ。ホンマ広いわ。そして納経所へ。札所の周りには川が流れていて鯉がいっぱい。亀もいっぱい。他の札所とはやはり規模が違うなぁ。

善通寺を後にして赤門筋商店街を東へ走る。20分ほど走って13:57七十六番札所金倉寺到着。駅から近いわりにひっそりとした感じの札所だ。先ほどの善通寺とのギャップが激しい。納経を終えてR319へ。清酒金陵工場を抜け脇道へ。ここには有名な善根宿まんだらがある。宿泊ポイントの一つとして考えていた所だが、時刻はまだ午後2時前。今回はスルーして先へ進む。遍路用品店と並ぶ札所、14:17七十七番札所道隆寺到着。朝食はたっぷり食べていたが、もうそろそろ限界。道隆寺すぐ裏のラーメン屋で昼食。手打ちラーメンということで、ホントに手打ちっぽい感じ。おいしく頂いた。

県道33号を東へ。今度はちょっと距離がある、と言っても8kmぐらい。今までの札所が固まってたのでこのぐらいの距離でも離れている感じがしてしまう。つーか気がついたら今日はすでに10ヶ所回っているのか。納経終了の17時までまだ2時間近くある。八十番の国分寺までは微妙としても、まだまだ走れる。さすが全国一(二番やったかな?)面積の小さい香川県。高知を走ってるときには考えられなかったハイペースだ。道場が変われば道中の表情もがらりと変わる。四国四県にまたがる八十八カ所巡りの醍醐味だろうか。

少々入り組んだ道で分かりにくかったが、15:27七十八番札所郷照寺到着。境内は高台にあって、そんなに標高は高くないはずだが眺めがいい。この参拝を終えて、長かった旅もついにラスト10のカウントダウンへ。

七十九番高照院境内。きれいに手入れされた庭園が広がる。
県道33号に復帰して、さらに東へ。高速の高架下を抜け、約30分。途中膨大な荷物を積んで走っている自転車のおじいさんを追い抜き、16:14七十九番札所天皇寺高照院到着。この札所、一見神社かと思うような雰囲気。鳥居が建っており、札所の名も何か神仏融合の札所であることを漂わせる。境内は整然と手入れが行き届いており、日本庭園のようだ。お手洗いを借りようとしたら、何故か鍵がかかっており使用不可能に…。近所の方がちょうどいて、ここのお手洗いは使えないとのこと。よかったらウチの使うかい?と言っていただくが、そこまで緊急性を要してはいなかったので我慢して札所を後にする。

さて参拝を終えると時刻は4時半。次の八十番までは約8Km。極めて微妙な距離と時間。続く八十一番・八十二番が五色台の山中にあることを考えると、今日中に八十番を回って朝一で五色台にアタックしたいところ。ただ残り30分で間に合うか…。半ば諦めムードで八十番を目指す。

引き続き県道33号を走る。どうでもいいが、やたらとラーメン店が多い。線路と川の間を走っていく。正直間に合わないだろうと思いながら走っていたが、国分寺までの距離表示が出てくるたびに、頭の中で速度計算してみると徐々に行けるんじゃないかという微かな希望も出てきたり。自分でも、国分寺に近づくにつれて速度が無意識に上がっていることに気づく。が、時計の表示では午後5時まで残り5分を切っている。ホンマに間に合うのか?

高照院を出た時点ではほぼ諦めていたが、ついには間に合わせてやるという気持ちに変わっている。そしてついに腕時計が17時を指す。無理やったかと思った瞬間、目の前に国分寺の看板が。もうここまで来たんだ、ダメもとで飛び込んだれ!ということで17:03八十番札所国分寺到着。自転車の鍵も閉めず、ダッシュで山門へ。案の定、門戸は閉まってしまっている。やっぱりあかんか…、と思ったが、脇の勝手口から女性のお遍路が出てきた。聞いてみると、まだ納経所は閉まっていないと。本当はいけないのだが、真っ先に納経所へ。当たり前だがすでに閉めの準備をされていたが、快く納経をしていただいた。本当にお忙しい時にお受けいただいて感謝の言葉も無いです。深く感謝。そして納経終わってから本堂への参拝。デジカメで本堂の写真を撮るも、必死で走ってきたので手が震えてぶれてしまった。

本来ならギリギリアウトのところだが、何とか八十番まで打つことができた。結局今日1日で13ヶ所。この旅での最高記録だ。ここにきてこんなスパートがかけられるとは。旅に出る前は最後まで体力が持つのかどうか心配してたけど、終盤になってもこれだけ走れれば御の字だろう。あと1日になるか2日になるか、なんとか最後まで走りぬくことはできそうだな。ともあれこれで明日朝一で八十一・八十二番の山越えにアタックできる。この八十番は大きいな。

門を出ると、先ほどの女性遍路さんがおられた。どうやらお連れの方もいて、女性2人で自転車で回っているそうだ。お二人とも徳島にある大学院に通っておられるとのこと。多分僕より後に出発しているようで、いつの間にか追い抜かれていたようだ。色々とお話させてもらって、お二人はこれから五色台に登って、八十一番手前のかんぽの宿で宿泊すると。これからさらに山登りとは、女性ながらタフさに頭が下がる。暗くならないうちにということで、今日のところはお別れ。

国分寺を後にして自転車を走らせる…ん?そういえば、まだ今日の寝床決めてないやん!もう午後6時前だというのに、これはヤバイ。地図を広げて野宿できそうな公園を探す。幸い国道から少し離れるが、運動公園なるものを発見。とりあえずここへ行ってみることに。2kmほどあるが自転車なら許容範囲内。微妙なアップダウンを超えて、運動公園到着。大きな公園だが人気が無い。しかも入り口にはチェーンが張られている。嫌な予感…。恐る恐る近くに停めてあった観光バスの運転手さんに聞いてみると、今日は公園全体がお休みとのこと…。公園に定休日とかあるんですか…。事情を話すと、ここはお遍路もよく利用していて、勝手に一晩寝ているよと。朝早く出て行けば問題ないだろうと言っていただくが、一応不法侵入的なことになってしまうので、とりあえず立ち入り禁止マークの無いスペースにテントを張らせてもらうことにする。

だいぶ暗くなってきたが、食料調達に行かなければ。近くに食堂があると教えてもらったので行ってみる。まさに街の食堂といった感じの小さなお店。こういう方が落ち着いて食べれるので個人的には好き。近所の常連の方が何人かいて気さくに話しかけていただいた。肉うどんをオーダーすると、すごいボリューム。色々とお話させてもらって、お代を払おうとすると、「お接待だからいいよ」と。その上、「明日の朝にでも」と言ってちらし寿司と栗タルトまでお接待として頂いてしまって、本当にありがたく申し訳ない。皆さんの御健康と御多幸をお祈りしてくることを約束してお店を出る。

すっかり日が暮れてしまって、あたりは真っ暗。街灯も無いから2、3回、脇の田んぼに落ちそうになってしまった。無事テントに戻って頂いた栗タルトを食べる。明日は朝から1時間ほどの山登り。7時ちょうどの納経のためにも早起きしないとな。残す札所はあと8ヶ所。明日で最後までいけるだろうか。

21:00就寝。



  納経    3900円(300円×13ヶ所)

  宿泊    0円
  入浴    なし
  洗濯    なし
  移動    なし
  食事朝  0円(旅館バイキング)
      昼  380円(野菜ラーメン)
      晩  0円(肉うどん(お接待))
  その他  なし


前ページ menu 次ページ
SEO [PR] 冠婚葬祭  秘湯 わけあり商品 動画無料レンタルサーバー ブログ SEO