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9月20日 6:00起床。 他の人も何人か起き出した。最初に昨日ビールをご馳走になった車遍路のおじさんが出発された。改めてお礼を言って、僕も荷造りをする。同年代の2人に出発の挨拶をする。この2人はあと2、3日でいったん区切って帰らないといけないそうで、次はいつになるか未定だとのこと。お互いの結願を祈ってお別れ。まだ寝ておられる方もいるので物音を立てないように静かに退室。フロントで宿代を支払って、6:30出発。 今日の終着点は入野松原。親戚の方のお宅がこの辺りだというのでとりあえずここまでは行く。1日強分の日程を昨日今日と丸2日に分けた分、距離的には何もなければ夕方までには着く計算なのだが、実際どんなトラブルが起こるかわからない。とにかく地図はこまめに確認必修。ずっと56号に乗っていけばいいから今日は大丈夫やと思うんやけど…。
途中の自販機でジュースを買っていると、軽トラに乗ったおじさんがやってきた。その場で軽くおしゃべり。この方もなかなかの土佐なまり。でも結構聞き取れた。僕の土佐弁レベルもアップしているようだ。ここからしばらく行けば上り坂が続くが、それを越えればそこから先は一気に下るとのこと。須崎市を越えると約6kmに及ぶ七子峠越えが待つ。上りが苦手な僕にとってはかなりの難所だ。心してかかろう。途中コンビニで白桃ゼリー朝食。 鳥坂トンネルを越え須崎市内へ。56号に乗るがトンネル多発。歩道が狭くなって危険度アップ。特に須崎と中土佐の市町境にある焼坂トンネルはかなり長い。1km弱に及ぶトンネルの中は排ガスが溜って空気も悪く、自転車こいでて息苦しくなる。できれば脇に歩行者専用のトンネルも欲しいなぁと、四国ならではの遍路にやさしい街づくりを期待したい。なんてわがままを言ってみたり言ってみなかったり。とにかく僕もいつか自分の体験を仕事の上で何らかの形にしたいと感じた。後世に続くであろう遍路の方々が少しでも安全に行脚できるように。もちろん先人たちの苦労に対する敬意の念は忘れないようにね。 午前9時過ぎ。いよいよ七子峠の上り坂に差し掛かる。6kmの道のりで標高293mを目指す。傾斜はそんなにきつくはないけど、6km延々と上り続けるのはやっぱりきつい。自転車に乗っては歩いて、乗っては歩いての繰り返し。途中1kmごとの「七子峠まで○km」の標識を目標に、とにかく1kmずつ峠を攻めていく。しかし、たかが1km、されど1km。1kmの道のりが過酷に感じる。平地の自転車であれば4分程度の距離だが、押して歩くとなると別世界だ。しかも上り坂。一旦自転車を降りてしまえば、それは一転最も重い荷物に他ならない。今更ながら重力加速度9.8m/s^2がいかに大きな値かを身をもって感じた。今だけ3.0m/s^2ぐらいにならんかなぁ…。
七子峠を越えてすぐのうどん屋でちょっと早めの昼食。しばらく休んで、峠越えで消耗した体力も回復させてもらおう。かけうどんの食後にコーヒーをサービスしていただいた。うどんにコーヒー、なかなか悪くない。ごちそうさまでした。 坂を下って窪川の街中へ。一気に市街地へと景色が変わる。市街地といっても標高は250mの台地上に位置する。三十七番もこの町中にあり、入り組んだ道に入っていくため場所がわかりにくい。近所の人に道を教えてもらって、11:36三十七番札所岩本寺到着。町寺らしく境内には近所の方だろうか、年配の方が何人かお参りをしていた。落ち着いた雰囲気で窪川の街に溶け込んでいる。本堂は新しい感じがした。その中のトイレをお借りして再出発。 次に目指すは三十八番金剛福寺。四国の最南端、足摺岬に建つ札所だ。三十七番岩本寺〜三十八番金剛福寺間は約100km。全札所間の最長距離区間だ。自動車なら2時間半ほどだが、自転車遍路では8〜9時間。納経時間を考えるならほぼ1日分の走行距離にあたる。ましてや徒歩になると単純計算で約25時間。文字通り丸1日かけて歩いても辿り着かない距離だ。徳島のように高い山こそ少ないが修行の道場と呼ばれる高知、最大の難所だろう。 再度56号に乗って南へ。再び峠を越えるとそこから一気の下り。片坂という急な坂をガンガン下る。急カーブがあるが、車線が広いためある程度スピードが出てもなんとかコントロールできる。対向車も多いのであまり調子に乗ってると危険だが、ここは自転車遍路の最大の利点、貯めた標高を存分に使わせてもらった。まさに苦あれば楽あり。あっという間に佐賀温泉付近まで下りる。しばしの間だが両足を休ませることができた。三十八番のある足摺岬へ続く100kmの道のりはまだ始まったばかり。体力は大事に使おう。
この辺りは鯨のウォッチングポイント。入野海岸にはホエールウォッチングセンターなるものもあるとか。そういえば小学校のころの修学旅行で高知来たけど、そん時も鯨見に行ったような気がする。もしかしてこの辺りだったのかな?結局その時も今回も鯨は来てなかったようで、見ることはできんかったんやけど…。でもいつか一回は生で見てみたいな、鯨。 時刻は午後2時をまわり、だいぶ気温が上がってきた。うどん昼食からほとんどノンストップで走ってきたからもう汗だく。午後2時半ごろ土佐くろしお鉄道土佐入野駅に到着。親戚のお宅に電話して駅に到着したことを伝えると、今から迎えに来てくれるとのこと。駅からすぐ近くのようだ。10分ほど待っているとおばあさんが迎えに来てくれた。初めてお会いするのだが、まわりにお遍路の格好をしている人なんて僕しかいないのですぐ分かってくれたようだ。 10分ほど歩いて親戚の方のお宅へ。まわりは畑とかがあってのんびりした感じ。ゆっくりできそうな雰囲気でよかった。荷物を置かせてもらって、すぐお風呂を沸かしてくれたので入浴させていただく。かなり汗をかいていたのでサッパリ。お弁当まで用意してくれていてお腹もいっぱいに。 晩ご飯まで時間があるので、改めて今後の予定を考えることにした。今日の時点で当初の予定より丸1日の遅れ。このペースで順調に遅れていくのであれば9月中に帰れない可能性も出てくる。愛媛・香川に入れば各札所が集中しているためある程度ペースはキープできると思うし、予定の段階でも最後まで体力がもつのか不安があったので後半はちょっと余裕ある予定を組んでいたこともあって、そこまで遅れをとるってことはないだろうけど…。とりあえず明日は三十八番から三十九番まで。三十九番まではちょっと微妙かな。三十九番すぐ近くに健康ランドがあるので、そこで宿泊。5日目のことがあっただけにほんとに営業してるのかどうか心配ではあるが、今度はつぶれてないことを願おう…。 すっかり日が暮れて晩ご飯。メニューは鰹のたたき。高知に来たからには一回は食べときたかった。ヤッタネ。高知の家庭の味、やっぱり本場で食べるたたきはウマイ!たらふくいただいた。ビールまでいただいて。まさか旅の途中で2日連続お酒を飲むとは思わなかった。とはいっても下戸なので、缶ビール1本でもう十分。「ビールまだあるよ〜」と勧めて頂いたが明日以降に残ると大変なのでこの一本だけでご勘弁を…。 ご飯を食べていると近所の方が訪ねてきて、一緒にご飯を食べることに。あ〜なんか田舎っぽくていいな〜、って感じた。遍路を回っているとの話をすると、次の三十八番までの近道を細かく教えていただいた。でもちょっとお酒が入ってボ〜っとしてたのであんまり覚えられなかったです…せっかくでしたがスイマセン…。 お腹もいっぱいでお酒も入って、すっかり眠気が。布団も用意していただいて今日はもう休ませてもらおう。足摺岬まではまだ60km近くの道のりが残っている。まだまだ長いなぁ。明日も晴れますように…。 23:00就寝。 納経 300円(300円×1ヶ所) 宿泊 0円 入浴 0円 洗濯 0円 移動 なし 食事朝 150円(ゼリー) 昼 350円(かけうどん) 晩 0円(鰹たたき) その他 なし |
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